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 日本テレビは「7年連続視聴率4冠王」に輝く最強のテレビ局だった。まさに「ひとり勝ち」の状態だったのである。ところが、その「常勝・日テレ」に暗雲が立ち込めている。しかもその原因が朝・昼・晩の3つの看板番組というのだから事態は深刻だ。

 

 もっともコケてしまった番組が、4月からスタートした朝の情報番組『レッツ!』。
 メイン司会者にガンとの闘いから生還したばかりの向井亜紀を起用して話題となった「鳴り物入り」番組である。同じ枠の前番組は『ルックルックこんにちは』。視聴率10%台も当たり前の看板番組だった。日本テレビ編成局社員はこう嘆く。
「向井さんは頭はいいんだけど……。やっぱり、キャスター業は、まだまだですね。彼女の起用は、上層部判断で決まったんですが、涙のガン闘病記者会見で主婦の同情を集めたことを、人気があると勘違いしてしまった」
 話題性から初日こそ7.1%の視聴率だったが、1ヵ月もたたない4月中にはやくも4%台も記録した。5月を見てみると、9.3%(3日)が最高で、おおむね4〜5%と、完全に低空飛行。
 6月に入ってからは悲惨な結果で、6%を超えたのは1日(14日)だけ。最低は4.4%と、『ルック〜』時代から半分以下に落ち込んでいるのだ(視聴率は全てビデオリサーチ調べ。6月15日までの関東圏調査データ)。
 同時間帯の『とくダネ!』(フジ)は連日ほぼ8〜9%をキープしており、完全に逆転されてしまった。
 ここまで数字が悪いと、メインキャスターである向井の降板問題が噴出しそうだが、そうはいかない日テレの苦しい事情があるという。
「番組を始めるときに、向井さんを『視聴率は気にしなくていい。数字は局の責任ですから』と半ば強引に引っ張った経緯があるんです。その人をバッサリ斬り捨てられないでしょう。彼女の所属プロであるホリプロにも顔向けできない。まさに打つ手なしです」(同番組制作関係者)


 
“天皇”が出現し危機的な状況に


 そもそも、向井が“素人”であることは先刻承知のこと。番組低迷の原因を彼女一人にかぶせるのも酷な話で、コンセプトそのものがおかしいという指摘もある。
「『レッツ!』のターゲットはライバルの『とくダネ!』と同じ30代の女性で、おしゃれで爽やかな番組作りを目指したんです。スキャンダルや事件をあまり深く追及しない方針でね。一方の『ルック〜』のターゲットは50代だった。しかし、狙った30代の女性は『とくダネ!』を見ていて、しかも、これまでの50代の視聴者は逃げてしまった。こちらの狙いが裏目に出た」(日本テレビ制作局ディレクター)
 つぎに、昼の看板番組『ザ・ワイド』はどうか。NHK出身の草野仁のソフトな語り口で人気を博したが、同番組の制作スタッフはこう語る。
「(視聴率の)数字がシングル(ひとケタ)になってきている。新番組に変えられると囁かれたり、みんなの不安が爆発しそうな状態です」
 なにせ、4月の「森首相退職金報道」の大失態以来、まったくふるわないのだ。
 この事件は、森首相が在任当時、「首相が辞めないのは、退職金給付資格を得るため」と報じ、首相夫人から「誤報である」とクレームがきたというもの。首相官邸からも抗議をうけ、日テレが詫びた。
 もともと、『ザ・ワイド』といえば、10〜12%の視聴率を稼ぐドル箱番組だったが、今年に入ってから8〜9%台をウロウロしだした。そしてこの一件以降、変動が激しくなり、ついに5.9%(5月22日)とこれまででは考えられない数字が出てしまった。
 その一因には、草野が「“私”の番組ですので」と打ち合わせなどで発言し、“天皇”となってしまっていることも挙げられるという。
 3月には、番組の最後に「放送後記」という2分ほどのコーナーを作った。草野が、社会問題などを語るものである。TBS「ニュース23」で筑紫哲也がやっている「多事争論」のようなコラムだ。
「スタッフには疑問視する声が多かった。ワイドショーには必要ないですから。ですが、プロデューサーも何もいえず“天皇・草野”の鶴の一声で決まりました。1ヵ月でなんとか打ち切りましたが、理由は、局内外からあまりにも評判が悪かったからです」(同番組関係者)
 ワンマンぶりと現場の混乱は危機的状況のようである。

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